僕のお気に入りのミラーレスカメラ、Panasonic LUMIX DMC-G8は防塵防滴仕様なので野外での「自然撮影」も難なくこなしてくれます。
以前LUMIX DMC-G8を使った「演奏撮影」について詳しく書きましたが、カメラ設定についても触れました。
というわけで今回はG8を使って自然撮影をする際のカメラ設定について詳しく書いていきます!
↓2019年5月23日発売の後継機種DC-G99の動画撮影についての記事もあわせてお読みください。↓

目次
▷Panasonic LUMIX DMC-G8について

コストパフォーマンスに優れているG8
LUMIX DMC-G8は、Panasonicの中級機種に位置付けられているミラーレス一眼カメラです。
最上位機種のGH5SやGH5、G9(後継機種)に比べるとそこまで多機能ではありませんが、プロの撮影現場での使用でもない限り、必要十分な機能が備わったスタンダードなカメラと言えます。
何より最上位機種に比べて圧倒的に安い!下の画像は、各カメラボディ2018年8月現在の値段です。

G8はGH5SやGH5の半分以下の値段です。その分レンズを揃えることができますね。
30分制限なし!
何気に嬉しいのが30分以上の連続撮影が可能なこと。
一般的なデジタルカメラは、関税の問題で連続30分以上の撮影ができない仕様になっています。でもG8はバッテリーとカード残量がある限り撮影は途切れることなく行えます。
ライブや演奏会などで長回しをする際にもビデオカメラのように使えて便利ですね。
G8動画作例
まずはそんなLUMIX DMC-G8で撮影した映像をご覧ください。
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▷G8自然撮影時のカメラ設定 1
では、G8で自然撮影をする際の設定はどのようにするのか。ここからは僕の設定をご紹介します。
あくまで一つの設定方法に過ぎないので、こんなやり方をしてるのか、と参考程度にしていただけたらと思います。
記録画質は4K
昨今は4K映像の敷居がかなり下がったので気軽に4Kで撮影できるようになりました。

G8の場合はMP4形式のみ4Kに対応しています。また、4K撮影時はFHD画質より若干画角がクロップされます。
露出設定はマニュアルモード
動画露出設定をM(マニュアルモード)に。

Mを選択することでシャッタースピード、F値、ホワイトバランス、isoをマニュアルで設定することができます。
P(プログラムオート)やS(シャッタースピード優先)、A(絞り優先)でも動画撮影はできますが、露出を思い通りコントロールするにはM(マニュアル)が最適です。
F値 : レンズ絞り開放〜F8
iso : 可能な限り低く
ホワイトバランス : 色温度指定
以上のようになります。次にそれぞれについて見ていきましょう。
シャッタースピード
シャッタースピードは基本的には1/60秒で統一するようにしています。これは被写体の動きがもっとも自然に見えるとされているスピードだからです。
でも、光量の少ない早朝・日没後などは1/60秒だとisoを結構上げないといけなくなりノイジーになりがち。動きの多い被写体を撮るのでなければ、こんな時は1/30秒に設定して明るさを稼ぎます。
逆に日中など明るすぎる場合は、NDフィルターを用いてシャッタースピードは1/60秒に保ちます。
iso
動画撮影の場合、G8はisoを200〜6400の範囲で選べます。
数値が高くなるほどノイズが多くなるのでisoは(適正露出に気を使いながらも)できるだけ低い方が良いです。
G8の場合は800ぐらいまでが許容範囲かなあと思います。止むを得ず1600を使うこともあります。
なお、G8にはMモード動画撮影時のisoオート機能はありません。
F値
F値は状況によって変えています。また、日中はNDフィルターの使用が前提になります。
例えば広角で広がりのある風景を撮るときなどは、全体をくっきり描写して欲しいので多めに絞ってF8ぐらい。早朝など、光量が乏しい環境の場合は少しでも明るさを稼ぎたいので絞ってもF4ぐらい。
G8は、ミラーレス一眼カメラの中ではもっとも小さなセンサーを搭載したマイクロフォーサーズ規格のカメラなので、F8まで絞ればかなりシャープに写ります。これは、35mm版フルサイズセンサーのカメラでだいたいF16ぐらいに相当すると言われています。
また、画質劣化を引き起こす回折現象のもとになるので、絞りすぎないようにします。
花や虫などを望遠で接写する場合はレンズのF値開放からF5.6ぐらいまで。絞りすぎると背景ボケの量が減ったり硬くなるので注意します。


シャッタースピード固定の動画撮影では、F値の設定は露出を適正にする役割もあります。でもそれだけにならないよう、NDフィルターとの併用で絞りのコントロールをするとより一層面白くなります。
ホワイトバランス
ホワイトバランスは必ず指定して固定します。AWB(オートホワイトバランス)は使いません。ここは結構重要です。
オートにすると、光の反射具合や映像に新しい要素が入り込んできた際に、ホワイトバランスが変わって色味が変化してしまいます。だから色温度指定をしてホワイトバランスを固定します。
わかりやすい例だと、AWBでパンやチルトなどのカメラワークを行うと色味が変化しやすいです。
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▷G8自然撮影時のカメラ設定 2
オートフォーカス : 49点、追尾、カスタムマルチ、1点
AF追従感度 : ±0
手ブレ補正 : 基本は切
ハイライトシャドウ : コントラストを下げる
フォトスタイル : 主にスタンダード、ナチュラル、風景、状況に応じてシネライクD、ヴィヴィッド
AF連続動作
AF連続動作のON・OFFはその名の通り、連続してAF(オートフォーカス)を有効にするか無効にするかです。
使い分けとしては、被写体とカメラの距離が変わらない場合はOFFに、被写体が手前に来たり奥にいく場合はONにします。
次項のオートフォーカスのモードによって使い分けますので、頻繁に切り替えることもあります。
オートフォーカス
オートフォーカスは被写体や状況によってそれぞれモードを変えます。
各モードでの使用ケースを見ていきます。
追尾モード : 動く動物などを撮るとき。あまり小さな被写体や背景と被写体のコントラストが低いと、うまく追えない時もあるので注意が必要。(AF連続動作ON)
カスタムマルチ : 主にパン・チルト動作をするとき。フォーカスエリアを設定し、範囲内のコントラストが高い被写体にピントが合うようになる。(連続AF動作ON)
1点 : 花や植物など、あまり動かないものを撮影するとき。AFエリアを小さめに設定しピントを狙いたい場所にタッチして撮影。(AF連続動作OFF)
AF追従感度
AF追従感度ではAF連続動作ONの時のAFが食いつく感度を設定できます。
僕の場合はデフォルトの±0に設定しています。感度を上げすぎると、ちょっと被写体が動いただけでAFが作動するので映像が乱れやすい傾向にあるようです。
手ブレ補正
手ブレ補正は基本は切にしています。カメラを三脚に立てて撮影することが多いからです。
また、パンやチルトを行う際は手ブレ補正が作動して映像が微妙に乱れることがあるため切にします。
例外として、手持ち撮影を行う際は入にします。
ハイライトシャドウ
ハイライトシャドウではコントラストの微調整を行えます。

デフォルトではスタンダードに設定されていますが、僕はコントラストを下げる、もしくはカスタムで暗部を少し持ち上げハイライトを少し落としています。
これはあくまで好みの問題で、デフォルトでも全く問題はないと思います。ただ、こういう細かい設定をできるのは楽しいですね。
フォトスタイル
フォトスタイルも状況によって変えています。
基本はスタンダードか、ナチュラル、風景を選んでいます。どういう時に変更するのかというと、例えば日の出前の暗がり。

こういうシチュエーションではシネライクDが強いです。同時刻に撮影したものがこちら。

暗部が黒つぶれせずに細部が浮き上がります。あえてシルエットを強調するならスタンダードもカッコよくてありですね。
そして日の出前の微妙な空模様を撮る時はヴィヴィッドを選びます。

スタンダードや風景では出てこない薄くて微妙な色が、ヴィヴィッドなら彩度が強調されて表現できます。
ここでは薄い紫とピンクが青に埋もれずにうまく調和していますね。
彩度とコントラストが高く、常にヴィヴィッドだと目が疲れるので「ここぞ」という時に使います。
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▷まとめ

いかがだったでしょうか。LUMIX DMC-G8のそれなりに細かい設定の話になりましたが、このカメラ、いろいろいじってるだけでも動画機としてなかなか面白いです。
G8を既にお持ちであんまり設定を細かくいじってなかった方、ぜひいろいろ触ってみてください。面白い発見があるかもしれません。
最上位機種のGH5SやGH5は値段が高いからG8に興味を持っている方、ミドルクラスとはいえ侮れない機能を備えたカメラです。かなりお買い得な商品であることは間違いありません!
さて、設定ばかりいじってないでそろそろ撮影に行ってきます(笑)
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